ダニからの感染症に注意しましょう!~重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、日本紅斑熱、つつが虫病など~
[2018年6月1日]
ID:3406
ソーシャルサイトへのリンクは別ウィンドウで開きます
[2018年6月1日]
ID:3406
ソーシャルサイトへのリンクは別ウィンドウで開きます
春から秋にかけて山菜採り、キャンプ、ハイキング、登山、ゴルフ、農作業など、山や草むらで活動する機会が多くなる季節です。
活動の際には、マダニ類にかまれないよう注意しましょう!!
野山に生息するダニなどに刺されることで感染症を起こすことがあり、毎年5月から8月の発症例が多くなっています。西日本を中心に21府県から228名の報告があります。
病気を正しく知って、感染症から身を守るために、適切な予防と行動をすることが大切です。
マダニ
ダニに刺されることで起こる感染症はリケッチアやウイルスという病原体を保有するダニなどにかまれることにより起こる感染症です。
2011年に初めて特定された、新しいウイルス(SFTSウイルス)を保有する「マダニ」にかまれることによって引き起こされる、「重症熱性血小板減少症候群 (SFTS)」やリケッチアや細菌など病原体を保有する「マダニ」にかまれることで感染する「日本紅斑熱」また、「つつが虫」にかまれることによって感染する「つつが虫病」などが主な病気です。
いずれも、すべてのマダニ、つつが虫が病原体を持っているわけではありませんが、ダニ等にかまれないための注意が必要です。
【重症熱性血小板減少症候群 (SFTS)】
ダニにかまれてから6日~2週間程度で、原因不明の発熱、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)が中心です。時に頭痛、筋肉痛、神経症状(意識障害、けいれん、昏睡)、リンパ節腫脹、呼吸器症状(咳など)、出血症状(紫斑、下血)などさまざまな症状を引き起こします。重症化し、死亡することもあります。
【日本紅斑熱・つつが虫病】
ダニにかまれてから、日本紅斑熱は2~8日後に、つつが虫病は10~14日後に、高熱、発疹、刺し口(ダニにかまれた部分は赤く腫れ、中心部がかさぶたになる)が特徴的な症状です。紅斑は高熱とともに四肢や体幹部に拡がっていきます。紅斑は痒くなったり、痛くなったりすることはありません。治療が遅れれば重症化や死亡する場合もあります。
予防するためのワクチン等はありません。ダニにかまれないようにするのが予防法です。マダニやつつが虫は木の葉や草むらなどに生息していますので、次のことに注意しましょう。
・ できるだけ草むらに入らない。
・ 野山に行く時は長そで、長ズボンなどを着用しできるだけ肌を露出しない。
・ 草の上に直接座ったり、寝転んだりしない。敷物を利用する。
・ 脱いだ上着やタオルは、不要意に地面や草の上に置かない。
・ DEET(ディート)という成分を含む虫よけ剤(忌避剤)を活用する。
・ 帰宅後、すぐにシャワーや入浴をして、ダニがついてないかチェックする。
いずれの病気も、症状には個人差があり、ダニにかまれたことに気がついていなかったり、刺し口が見つからなかったりする場合も多くあり、見た目だけでの診断が困難です。治療が遅れれば重症化や死亡する場合もありますので、早めに医療機関に相談しましょう。
ダニが吸着している場合は、先の細いピンセットを用い、できるだけ皮膚に近い部分でダニをつまみ、つぶさないように注意して取り除きます。取れない場合は無理に取り除こうとせず、皮膚科など医療機関で適切な処置を受けてください。
受診時には、 「〇月〇日、野山に行った」、「〇月〇日、田畑で作業した」「あの時、ダニにかまれたかもしれない」など日付け、場所、発症前の行動(2週間程度)を伝えましょう。
開庁時間 月曜日から金曜日の午前8時30分から午後5時15分まで (土、日、祝日および12月29日から翌年1月3日までは除く)