和田山精機株式会社

2018.08.15 活動報告

独自の技術力と他社を凌ぐ総合力で不可能に挑戦。世界品質の精密金型。

お客様の満足。そこに、ものづくりの「やり甲斐」と「喜び」がある。 

和田山精機株式会社は、昭和47年(1972年)に鍛造用金型の製造を基幹事業とし創業。

自動車部品等の設計開発、高度・高品位の精密金型の開発・製造を追求しており、顧客のニーズに幅広く対応した生産技術と体制を誇っている。

特に金型製造では、その技術力が認められ、兵庫県から「きらりと世界へ輝く技術部門」但馬産業大賞(2011年3月)を受賞。

生産拠点は、本社工場と和田山第2工場、京都工場、インドネシアに合弁で設立した海外工場がある。

また世界販売も視野に入れ北米・アジアとグローバルな展開も推進。そんな躍進を続ける企業を総指揮する永田義典氏が、創業者である現会長から事業を承継したのは36歳のときであったという。

若くして会社経営のトップの座に就くにあたっては、それなりの苦労があったに違いない。30代で事業を承継したときの心境を「周りの支えもあり、早い段階で会社の業務を一通り経験していたので、それほどの不安はありませんでした…」。

「今は会社を常に存続することを考えています」と柔和な笑顔を浮かべた。

そんな永田義典社長に今後の取り組みなどをお伺いした。

 

未来を担う人財を大切にしたいから、最新鋭の設備と職人技の融合を推進。

事業の承継について。

私どもの会長は33歳頃に事業を立ち上げたと聞いています。その経験から早く代替わりしたほうが良いという考え方を持っており、計画的に事業承継の準備を進めてくれたおかげで、何のトラブルもなく代表に就任することができました。

私は学校を卒業後、2年程姫路でプレスの仕事についていましたが、会長から会社が忙しいから帰ってこいと言われ戻ってきました。

こちらに来てからは、現場に2年、その後、図面作製・営業を経験して、36歳のときに事業を引き継ぐ立場になりました。

社長になってから今年(2018年)で7年目になりますが、会社の業績もずっと成長し続けており、売り上げは私が入社した20年前から5倍強と順調に推移しています。

 

お客様のニーズにお応えできる企業を目指して。

弊社では「お客様に満足してもらえる金型を導入する」をモットーに営業活動を展開しています。

主力製品である金型において、主な取引先は、約8割が自動車関係、残りの2割が建設関係で構成されており、関西や中部地区は、納期や品質を特に重視する地域です。そのため、どのように満足してもらえるかを考え、遠方の取引では遠さを感じさせないように近くに営業マンを置いてレスポンスを良くするなどの配慮を行なっています。

製造部門では、関西・中部にメインとなる取引先の工場があり、お客様の近くに修正ができる工場を置き、何か起きたときに対応できるようにしています。

 

業界をリードする総合力。設計・開発から完成まで一貫生産の強み。

私どもの得意な技術は、精度が求められる自動車関係の冷間全段造部品の金型です。

設計から高品質・高精度・高寿命を追求して研究開発に携わっています。単体の金型では、設計方法や寿命を延ばす方法など、その場合でお客様と相談をしながら対応しています。また、お客様の新製品開発なども考慮し、全ての製造工程を内製で行なうことを基本としています。

設計・開発の段階からお客様と共に取り組み、製造・完成まで自社で一貫生産が可能な体制を整えているのが弊社の強みだと思います。総合力は同業他社の中で1盤だと自負しております。

 

最適なオリジナル・コーティングを提案。

この技術がなければ業界は発展していなかったと言われているコーティング技術とは、「金型に抵抗がかからないように、表面のすべりを良くし、金型の耐久性を高める」という重要な処理です。しかし他社の多くはこの処理を外注に出しています。

弊社では、金型製造の短納期化およびPVDコーティングの多様化に伴い、2013年より最新設備を導入し、PVDコーティングも行なっており、これまで培った独自のラッピング技術との融合によって、金型の耐久性を向上させています。また、各金型要素に最適なオリジナル・コーティングを提案できるようにコーティング事業部を設けています。

※PVDは「Physical Vapor Deposition」の略称です。

 

今後の目標、チャレンジは…。

人を減らさずに、ということを目標にしています。

車は海外での生産が比重を高めており、国内だけでは売り上げ目標は達成できなくなると思います。

今はインドネシアに合併会社がありますが、生産量の面からアメリカに拠点を出したいと考えています。日本、インドネシア、アメリカの3拠点があれば、為替の関係でいえば調整が可能になるなどの利点も多く、バランスの良い拠点運営が実現できると考えています。

製造まで現地で行なうと、高い技術を持つ優秀な人財の多くを現地スタッフ指導者として長期にわたって海外へ排出しなければならない。そうした人財の問題などを考えると、修正など何かあったら対応できるような体制にしたいと思っています。

 

信頼される品質確保のために、積極的に改善活動に取り組む。

日々現場で教育・訓練を実施し技術レベルの向上に努めています。

また年に2回、業務改善したことの発表会などを開いて、全体に周知できるようにしています。

不良品を減らすと製造原価が下がるというコスト管理の感覚を各自が持ち、いかに早く正確につくるかを考え、全社で改善に取り組んでいます。

 

 

社内での技術の承継は、どのように実施していますか。

OJTにより技術の引き継ぎがスムーズに行なわれ、技術を習得した若い社員を積極的に課長に登用したおかげで、ベテラン社員が不在のときでも作業が滞るというようなことはなくなりました。

また、すべての機械は2台用意し、すべての工程に2人以上の人員を配置しており、誰が休んでも高品質な作業ができる体制を整えています。

さらにここ数年は、最新鋭の機械を入れ、機械でより完成に近づけることによって、人がやらなければいけないところを減らす取り組みも行なっています。

 

企業としての社会貢献についての考えは…。

雇用が最大の社会貢献だと思っており、いかに地域の人財を採用できるかを考えています。

高校生は比較的に集まっていますが、やはり全体としては人材難ですね。主婦の方は扶養控除内で働きたいという希望が多く、また子育て世代の方のことも考え、勤務時間をずらすなどして、女性が活躍できる環境を整えています。また外国人の技術実習生も受け入れています。

 

経営者として、これだけは大切にしたい。

会社運営にあたってコンプライアンス(法令順守)は原則ですね。人事面では「雇った従業員は絶対にクビにはしない」。経営者として、これだけは大切にしたいですね。

 

沿革

●昭和47年 兵庫県朝来市和田山町高生田に資本金300万にて和田山精機株式会社を設立
●昭和50年 資本金900万円に増資
●昭和54年 超硬金型加工開始
●平成2年      本社工場を現在地に新築・移動。真空熱処理装置増設
●平成4年      冷間パーツホーマー・冷間プレス用金型の設計・制作開始
●平成7年      資本金1,000万円に増資
●平成15年 ISO9001取得(以後更新中)
●平成18年 有限会社エヌテック京都工場設立
●平成22年 永田康雄が取締役会長に就任 永田義典が代表取締役社長に就任
●平成23年 兵庫県より「きらりと世界へ輝く技術部門」但馬産業大賞受賞
●平成24年 名古屋特殊鋼株式会社と合弁でインドネシアアカラワンに金型製造会社PT.Meitoku-Wadayama Indonesiaを設立(株主:名古屋特殊鋼株式会社75%、和田山精機株式会社25%)
●平成25年 和田山第2工場コーティング事業部設立
●平成28年 愛知県丹羽郡に大口工場設立

 

企業情報

事業所名:和田山精機株式会社
代表者名:永田 義典
創業年:1971年(昭和46年)
設立年:1972年(昭和47年)4月法人化
住所:兵庫県朝来市和田山町寺内394
電話番号:079-675-2918
ホームページ:http://www.wadayamaseiki.co.jp/
保有認証等:【ISO登録】ISO9001取得(以後更新中)

【賞与】兵庫県「きらりと世界へ輝く技術部門」但馬産業大賞受賞

【主要事業】
パーツホーマー用金型、プレス用金型、PVDコーティング処理、金型解析、真空熱処理

【主な機械設備】
NC旋盤、マシニングセンター、NC放電加工機、NCワイヤー放電加工機、ポリゴン研削盤、平面研削盤、円筒研削盤、内面研削盤、工具研磨盤、プレス機(焼嵌、圧入用)、ラップ機(自社製)、鏡面研磨機、三次元座標測定機、輪郭形状測定機(コントレーサー)、表面粗さ測定機、投影機、測定顕微鏡

固有の技術の発展で社員の幸せと
ユーザーの信頼を得て弛まぬ伸展に努める。