株式会社平山建設

2018.07.30 活動報告

通信土木を極めて。強みをいかし・弱みを克服し地域にとってなくてはならない人と会社へ。

次代に無くてはならない存在を目指して。

通信土木に特化した事業展開で地域社会の発展に貢献する株式会社平山建設は、平成17年4月1日に産声を上げた。それは親子2人からのスタートだった。幾度となく、経営の危機にも直面したという。「私は今でも当時のことを思います。慣れない仕事・難しい仕事・しんどい仕事・未経験の仕事に立ち向かう苦しさから逃げていたら、今は無かった」と創業当時の経験を平山貴彦・代表取締役は語る。

「当社は、地域と共に成長して参りました。私たちを取り巻く環境、すなわち但馬地域は過疎に悩み、過疎に苦しみ、経済は疲弊してきました。その傾向は婚今後、益々悪化することが予想されています。私たち、地元に根差す経験者が考えなければならないのは、我が身を守るための縮小戦略ではなく、地域で生まれた子どもたちが地域で働けるよう「雇用の受け皿を創出する」成長戦略ではないでしょうか。当社は、次の世代のために無くてはならない存在を目指し精進してまいります」。

 

次世代に繋がる若年層を雇用し、業界及び地域の持続可能性へ挑戦する。

スタッフの物心両面の豊かさと、地域経済の元気を育む。

当社の企業理念は2つあります。1つは「従業員の物心両面の質の向上に資することを存在目的とし、全社員がその必要な努力を行う」ということです。物は安直に言うと、お金につながる。心は、向上心とかガッツ、礼節とか、そういった精神性。ただ源泉としては、会社が存続していかなければならない。給料面や賞与面の物を豊かにしようと思ったら、源泉は売上・利益になりますので、それに必要な努力を全従業員が一丸となって行うということです。つまり「会社が儲かれば還元されますよ」という意味ですね。その裏付けとして、当社の場合は夏・冬ボーナスに加えて決算賞与の年3回。頑張った分が数字的に反映される。それが、本当の賞与の在り方だと思います。

もう1つは「前提である国家、地域の存続、及び福祉向上に資することを目的とする」。これは我々がこうやって仕事をさせてもらえているのは、実は地域があるからだということです。これはなかなか認識しづらい面があるのですけど、わかりやすく言うと、空気はあるのがあたり前になっていて、ありがたいなあと思えないのと同じです。

では、地域があるのがあたり前なのかというと、決してそうではないのです。破綻懸念先っていう地域もあります。破綻した地域もあります。そういう意味で、我々が元気になることで地域が元気になって存続できる。更に、その前提となる、日本という国が存続するためには、我々はなにを行うべきなのか…。私も従業員もそういったところに目を向けて、努力をしなければいけない。それが企業の社会的責任ではないかなと思います。

 

計画と教育と冗長性(むだ)

弊社は、但馬全域及び、倉敷市全域に加え、備前、和気などの岡山東区域一部を商圏に通信土木を主たる事業としております。

経営者の主たる業務として、会社の方向性、ビジョンを示すことがあります。ただ、その方向性やビジョンには、ある程度の裏付けが必要で、そうでなければ計画の落し込みに力強さが与えられません。弊社は、莫大な情報や入手困難な情報から戦略立案をし、ある程度、中長期的な受注を見込むことが可能となりました。

強化すべきところ、補うとこと、排除すべきところを絞り込み、必要性のある教育を実施することが出来ます。そういった中長期ビジョンと効率化を意識できるからこそ、あえての冗長性を持つことが可能です。とりわけ弊社では、昨年より公共工事事業部を立ち上げ、入札にも参加し始めました。今すぐ必要と言うわけではありませんが、地域にとっての将来的必要性の高まりを感じ、冗長性の中でチャレンジできることは弊社の強みと考えています。

近年の世論は、むだ(冗長性)を悪とし、「効率化、効率化…」と、うたうあまり企業ないに冗長性がなくなり、発注体系も極限まで効率化を求めた結果、多くの企業の体力は奪われ、余裕をもった人材育成や余剰人員を持つことが出来なくなりました。さすがに行き過ぎた効率化は是正されましたが、冗長性は決して悪ではなかったと考えています。大切なのは生まれた余力の使い方なのです。

 

見えざる資産と参入障壁。

通信土木、とりわけ電柱工事で、弊社に積み重なった経験、施工、管理、オペレーション等は見えざる資産として、着実に蓄えられてきました。このことは、顧客にとっても都合の良い状況をもたらしました。特殊な狭き業界における業界言語が理解でき、オペレーションが理解でき、ニーズを満たすことはそう簡単なことではありません。

弊社に積み重なった経験は、顧客からの説明を最大限省略し、施工から管理までが、阿吽の呼吸で行われるのです。いわゆるハイコンテクストな関係が、すでに構築されると同時に、そのことは他社への高い高い参入障壁となっているのではと考えています。

 

好の循環とES。

新規開拓は、常に意識しています。経営資源は「ヒト・モノ・カネ・情報」と言われています。とりわけ人がもたらす情報は大切です。

ここ最近思うのが、創業当初と現在とでは、過去の成功体験の続く時間が年々短くなっていると感じることです。市場が絶えず変化していて「去年このやり方で通用したのに…」が今年はまるで通用しないのです。この事実に対応する術は人と会い情報を得ることです。

そして、その情報の質と本質的な部分を見極めて、自社に落とし込むことです。絶えず危機感を持って顧客を見つめ、自社に必要な努力を検謙虚に行うことは、新たな良い出会いとの接点が生まれると考えています。

弊社のスタッフは、このことが分かっていて「日々成長」を合言葉に学ぶ組織を目指しています。そのことが経営者である私の最高の誇りなのです。学び・成長するのに必要なのはそれを是とする企業風土であり、仕組みであろうと考えます。最初に述べた弊社の経営理念がその仕組みを約束し、スタッフのベクトルが1つになる基となっているのです。

 

先憂後楽と地域貢献。

戦後70年が過ぎ、経済は大きく変化し続けています。戦後、焼野原の占領下で始まった70年も、南北戦争のもたらす超好景気と主権回復、そしてオイルショックからの省エネ化への成功とモノづくり日本の世界への台頭。そして、バブル。バブル崩壊。失われた20年と少子高齢化の顕在化。とりわけ、いま直面しているのは少子高齢化と地域の持続可能性への挑戦ではないかと思うのです。

経営者は、常に先を読んで想定される憂(うれ)いに対して向き合い、手を打たなければいけません。朝来市が生まれて10年。人口は約4,000人減少しました。若者の流出も主たる原因となっています。地域の経営者が魅力のある企業を作り、結婚をし、子どもを育て、社会生活を行う。そこには住民税や所得税、地方交付税の資泉、地域での購買活動が生み出されます。

最初の1歩を担うのは、経営者の責任だと考えるわけです。

 

地域も会社も末永く。

会社を立ち上げるのは、比較的容易なのです。でも、続けるのはとてつもなく難しい。経営学では、サスティナビリティという言葉を頻繁に使います。すなわち、持続可能ですね。会社にとっても、地域にとっても、国家にとっても、持続可能性が最も大切なことです。実は、日本はこの持続可能性に対しては、とても長けた民族なのです。100年続いている企業、200年続いている企業の数が世界の中でも群を抜いています。皇室及び国家においては西暦より660年も長く続いているのです。

続けるということ、持続可能性への挑戦は決してやさしいことではありませんが、我々大人にとって、次の世代の為に、良い形で渡す順番がもう来ています。

そんなことを意識し、汗を流して、なくてはならない会社を作り、人作りをする存在でありたいと願います。

 

企業情報

事業所名:株式会社平山建設
代表者名:平山 貴彦
創業年:平成17年4月
設立年:平成25年10月
住所:兵庫県朝来市羽淵773‐6
電話番号:079-678-1105
ホームページ:http://www.hirayamakensetsu.com/
保有認証等:MBA【経営管理修士】取得/兵庫県知事 許可(般‐25)第601166号