株式会社榧谷建設

2018.08.01 活動報告

土木事業を経営の柱として、住宅事業にも果敢に挑む。総合建設の「次世代企業」へ。

「人と自然が喜ぶ未来づくり」をテーマに掲げていて、社員一丸になり頑張っております。

榧谷建設の創業は、神武景気と呼ばれた日本の高度経済成長が始まろうとしていた昭和28年であった。現在の代表取締役である榧谷宏光社長は、創業者の祖父から数えて3代目にあたる。

今や土木も建築も手掛ける総合建設業として新たな歴史を刻み始めている。

この地域に育ててもらった建設業者なので、仕事を通じて何らかの形で地域に恩返しをしていく、そのことで地域の皆さまに認めてもらえる会社になることが弊社のモットーです。

永年にわたって培ってきた土木事業では、大手が行なうような大規模なトンネルやダム工事などを除くほとんどの現場経験がありますので、官民を問わず請け負っています。

ただ朝来市内だけの仕事では工事受注を維持するのも大変なので、多方面の地域にも仕事に出向いており、そこで稼いだ外貨を地域のためになる仕事に役立てたいと思っております。

そう語る榧谷宏光社長の輝く目には、未来がしっかりと映っているように見えた。建設業界も新たな時代を捉え変化しなければならない時期を迎えており、若手経営者としての手腕を問われるのはこれからかもしれない。会社運営の舵取りなど、その胸の内を尋ねてみた…。

 

地域外の「外貨」を稼いで、少しでも地元に貢献できる企業として発展したい。

会社の原動力は、相手の気持ちになった行動力と向上心。

弊社の平均年齢は役45歳なので、若い力と発想に恵まれています。そういう私も下から2番目なので、ベテラン社員からちょこちょこ叱られることがありますね。(笑)

これは創業者の言葉でもあるのですが「お客さまのことを考えてモノをつくっていこう」と、いつも皆で話し合っているので、ここ数年その考え方がさまざまな場面で活かされるようになってきました。

「お宅に仕事を依頼したら、安心して見ていられるし、いろいろ言わなくても仕事を的確にやってくれる」と満足いただいております。

それは社員1人1人がお客さまの方針や思いを受け止めて共有しようと努めているからだと思います。

また、最近ではお客さまから「この仕事はお宅の社員が先頭に立って来てほしい」とか「この現場は誰々にお願いしたい」とかいう電話が入るようになり強みとなっています。これも仕事に前向きに取り組んでいる社員の力です。

また日頃からの技術向上への取り組みも強みとなっています。

弊社には12名の社員がおりますが、その内の8名が1級土木施工管理技士の資格を持っています。

 

住宅事業に、なぜ取り組んだのか。

私が前から取り組みたかった事業でもあったので、平成25年から住宅事業を行なっています。

朝来市の市長さんと話す機会があって、転入者のことや若い方の定住促進などについてお伺いしました。そのときに思ったのです。朝来に移住する方にちょっとでも永く住める良い家を建ててあげられたらいいなと…。仕事として地域の活性化に貢献することができたら、やりがいがあるなと感じスタートさせました。

建築技術というのは、国の制度も変わるので、常に新しい法律や制度に沿った技術革新が欠かせません。弊社には建築士の資格を持った社員もおりますので日々社員に研究をさせ、その中でより良い住宅プランを立てさせていただくように努めています。

住宅建築の業務をしっかり確立し、新規事業として地域に認められるようにしたいですね。

 

品質管理の時代。

環境面を考えて新しい機器や整備を導入し、品質管理を行なっています。また他社が1週間かかる仕事を4日間で仕上げるなどの企業努力も行なっています。

公共事業は、いま工事の終わった段階で成績表が作成されます。

たとえば工事のでき栄えや品質、環境対策や安全対策などと評価項目があって、100点満点中で何点という評価をいただくわけです。

平成29年には弊社が施工した工事でさわやかな県土づくり賞の表彰を受けており、施工主のお客さまにも喜んでいただいています。

 

信頼はグローバルな視点から。

そんなものは建設業に必要ない、地方の会社にはなおさら…と、おっしゃる方がおりますが、弊社では国際的は品質基準となっているISO9001の取り組みを継続して実施しており、社内の中に検査の部署を設けてチェックを行なっています。

日頃の書類作業や現場作業などにも反映できるようにしていますので、万が一にミスが起きたとき、どの段階で起こったのかが把握できますし、事前に防ぐことにも役立っています。また何かあったときにすぐに対処できる体制を整えるなど、ISOのシステムを活用して信頼される品質、体制づくりに務めています。そうした姿勢がお客さまにも伝わって結果として信頼に結び付いております。

 

人々の暮らしに役立ち、自信と誇りを持てる仕事を。

平成21年8月に旧朝来町地域が台風9号の影響で災害に見舞われたときに弊社も地元で昼夜を問わず復興作業に携わりました。

崩壊した集落などを自分たちの手で復興させたという体験は、モノづくりへの自信につながり、自分たちの仕事がこれだけ地元のために役立っているということを改めて認識する機会にもなりました。

その辺から社員の意識も変わりましたね。会社も災害などの事態に対応できるように常に備えており、よその地域に行かせていただいても、そのときに得た経験を活かした体制で臨んでいます。

丹波市が大災害に遭ったとき、弊社は営業エリアではなかったのですが、たまたまある会社から声をかけていただきました。その会社さんから「聞いていた以上に仕事を的確にしてくれる」と高い評価を賜り、それ以来仕事を継続的にいただいております。その噂が広まって、地域外の新しい取引先が増えています。

 

建設業は私の天職。

私は現在に至るまで建設業にしか携わっていません。小さな頃から祖父や父の現場で働く姿を見るのや建設機械が好きということもあり、「できたら会社に入れさせてほしい」と社長の父に話をしたら、それだったら仕方がないなということで平成9年の4月に入社させていただきました。

その頃はちょうどバブル景気が崩壊して平成不況の真っただ中…どの会社も経営を引き締めなければいけない時代でもあったのです。

 

事業承継は突然に。

建設業界は国が定めた厳しい検査基準が導入されるなどし、弊社でも事業改革に迫られ、いろいろと検討していたのですが、その最中に父から膵臓ガンになったと打ち明けられ「まさか」と驚きました。

父には治療に専念してもらい、ガンを克服して欲しいという願いもあって、平成18年に私が社長という肩書をいただいて、父が会長に就任ということで事業承継をさせていただいたのです。それから4ヶ月後に父が死去し、否が応でも私が1人で会社を何とかしていかなくてはならなくなってしまった。そんなときに相談できたのは、地域で活躍する同業の社長さんや事業承継が終わった地域の先輩でした。

そこで会社の弱みをさらけ出してでも経営改革していかなければいけないということに気づきました。そのおかげで、あのときの弱みが今は強みになっています。

これから事業承継をしなくてはならない経営者仲間もおりますので、私が苦労したこと、あのときにこうやっていたら良かったなと思うことなどを伝えたいですね。

 

若手を育成して、次世代企業へ。

建設業は工場勤務と違って、携わる現場によって地形や条件などが変化するので、どうしても経験が重視されています。今後もベテランの技術者は欠かせませんが、経済動向を見ると、もっと若手の雇用に力を入れて技術者として育成していきたいですね。

建設業界では、長い経験がなくても重機等を安全に稼働させることができるシステムが導入されています。

弊社としてもIT技術を取り入れた重機など最先端技術を取り入れていく準備を進めています。

また建設業界は女性の雇用にも力を入れていますので、従来の常識にはとらわれず、新たな観点で次世代企業を目指したいですね。

 

企業情報

事業所名:株式会社榧谷建設
事業内容:【主要事業】総合建設業(土木、建築、舗装、とび・土木、造園、水道施設、管)、一般住宅事業(新築およびリフォーム)
代表者名:榧谷 宏光
創業年:昭和28年
住所:兵庫県朝来市立脇544番地
電話番号:079-678-0227
ホームページ:http://www.kayatani.co.jp/
【保有認証等】
<建設業認可>兵庫県知事 許可 特-(27)第600817号/兵庫県知事 許可 般ー(27)第600817号
<その他認可>収集運搬業認可(木材、金属、ガラス、コンクリート、陶磁器くず、がれき類、動物のふん尿)
<IOS登録>認証規格ISO9001:2008=JISQ9001:2008/認証番号00257‐2000‐AQ‐KOB‐JAB(土木工事の施工)
<エコアクション21登録>認証・登録番号0009056(本社・資材置き場)
■平成29年度「さわやかな県土づくり賞」受賞