○朝来市議会議員倫理条例

平成17年9月5日

条例第253号

(目的)

第1条 この条例は、市議会議員(以下「議員」という。)が、市民全体の奉仕者として、その人格と倫理の向上に努め、いやしくも自己の地位による影響力を不正に行使して、自己の利益を図ることのないよう必要な措置を定めることにより、市政に対する市民の信頼に応えるとともに、市民もまた市政と議会に対する正しい認識と自覚をもち、共に公正で開かれた民主的な市政の発展に寄与することを目的とする。

(議員の責務)

第2条 議員は、市民全体の代表者として、市政に関わる権能を深く自覚し、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)の本旨に従って、その使命の達成に努めなければならない。

(政治倫理基準)

第3条 議員は、次に掲げる政治倫理の基準を遵守しなければならない。

(1) 市民全体の代表として、その品位と名誉を損なうような一切の行為を行わず、その職務に関して不正の疑惑を持たれるおそれのある行為をしないこと。

(2) 常に市民全体の奉仕者として、その人格と倫理の向上に努め、その地位を利用していかなる金品も授受しないこと。

(3) 市が行う請負契約及び委託契約並びに一般物品納入契約に関し、特定業者の推薦、紹介、介入をしないこと。

(4) 公正な人事を期すため、市職員採用について推薦、紹介をしないこと。

(5) 公職選挙法(昭和25年法律第100号)を遵守して、政治活動に関し企業、団体等から寄附等を受けないものとし、その後援団体についても、政治的又は道義的批判を受けるおそれのある寄附等を受けないこと。

2 議員は、政治倫理に反する事実があることの疑惑をもたれたときは、自らの潔い態度をもって疑惑の解明に当たるとともに、その責任を明らかにするよう努めなければならない。

(市工事等の契約に対する遵守事項)

第4条 議員の生業に携わる配偶者及び1親等の親族は、法第92条の2に規定する趣旨を尊重し、自ら市工事等の請負及び委託契約並びに下請け工事について辞退するように努めるとともに、市民に対し疑惑の念を生じせしめないよう努めなければならない。

2 議員は、企業その他団体の役員、顧問、その他の職に就いている場合において、第2条及び前条の趣旨を尊重し、市工事等の請負及び委託契約を成すような働きかけを何人に対しても行ってはならない。

3 一般物品納入契約については、前2項の規定を準用する。

4 議員の親族(第1項に規定する親族を除く。)は、第1項の精神を尊重するものとする。

(審査の請求)

第5条 法第18条に規定する選挙権を有する市民又は議員は、議員に前2条に違反する行為があると認めるときは、当該違反する行為を証する書類等を添え、議員定数の8分の1以上の議員の紹介又は連署をもって、議長に対し審査の請求をすることができる。

2 前項の紹介又は連署をする議員は、2以上の異なる会派に属する者で構成されていなければならない。

3 第1項の規定による審査の請求は、当該請求に係る行為のあった日から起算して1年以内に行われなければならない。ただし、特別な事情があると認められるときは、この限りでない。

(審査会の設置及び組織)

第6条 議長は、前条に規定する審査の請求があったときは、速やかに議会運営委員会に諮った上で、朝来市議会政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を設置し、当該事案について審査を付託するものとする。

2 審査会は、次に掲げる事項について審査を行うものとする。

(1) 第3条及び第4条の規定に違反する行為の存否

(2) 前号に掲げる行為があったと認定した場合における当該行為をした議員に対する措置

3 議長は、第1項の規定により審査会を設置したときは、速やかに前条の規定により審査の請求を行った者(以下「審査請求者」という。)及び審査の対象となった議員(以下「審査対象議員」という。)に対し、その旨を通知するものとする。

4 審査会は、委員6人以内をもって組織する。

5 委員は、議員のうちから議長が指名する。ただし、審査請求者及び審査対象議員は、委員となることができない。

6 委員の任期は、当該審査が終了するまでの間とする。

7 審査会に委員の互選により委員長及び副委員長を置く。

8 委員長は、会務を総理し、審査会を代表する。

9 副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故があるとき又は委員長が欠けたときは、その職務を代理する。

10 議長が審査対象議員に該当するときは、副議長が、第1項第3項及び第5項に規定する行為を行う。この場合において、次条から第12条までの規定中「議長」とあるのは「副議長」と読み替えるものとする。

11 議長及び副議長が審査対象議員に該当するときは、議会運営委員会において協議し、指名した議員が第1項第3項及び第5項に規定する行為を行う。この場合において、次条から第12条までの規定中「議長」とあるのは「第6条第11項前段の規定により指名された議員」と読み替えるものとする。

(審査会の運営)

第7条 審査会の会議(以下「会議」という。)は、委員長が招集し、委員長が進行する。

2 審査会は、委員の半数以上が出席しなければ会議を開くことができない。

3 審査会の議事は、委員長を除く出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。

4 会議は、公開とする。ただし、出席委員の過半数の合意により非公開とすることができる。

5 審査会は、審査のため必要があると認めるときは、審査請求者、審査対象議員、識見を有する者等に対し、会議への出席を求め、意見若しくは事情を聴取し、又は報告を求めることができる。

6 審査請求者及び審査対象議員は、審査会から会議への出席の要請、審査に必要な資料の提出その他の協力を求められたときは、これに従い、かつ、誠実に応える義務を負う。

7 審査対象議員は、審査会において弁明することができる。

8 審査会の委員は、審議において知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

9 審査会の委員は、公正かつ不偏の立場でその職務を遂行しなければならない。

10 審査会は、第3条及び第4条の規定に違反する行為がなかったと認められる審査対象議員について、その名誉を回復するため、必要があると認めるときは、その旨を議長に報告する等所要の措置を講ずるものとする。

11 審査会の運営に関し必要な事項は、その都度、委員長が審査会に諮って定める。

(議長への報告)

第8条 委員長は、審査が終了したときは、速やかに審査の結果を議長に報告するものとする。

2 前項の規定による報告は、審査会が付託を受けた日から60日以内に行うように努めなければならない。

(審査結果の報告及び通知)

第9条 議長は、前条第1項の規定により審査会から審査の結果の報告を受けたときは、速やかに審査結果を議会に報告するとともに、審査請求者及び審査対象議員に対して通知しなければならない。

(陳述書の提出)

第10条 審査対象議員は、前条の規定による通知を受けたときは、審査の結果について、議長に対し陳述書を提出することができる。

2 前項の規定による陳述書の提出は、審査の結果の通知を受けた日から2週間以内に行われなければならない。

(審査結果等の公表)

第11条 議長は、審査の結果を速やかに公表しなければならない。この場合において、前条第1項に規定する陳述書が提出されたときは、当該陳述書の全部又は概要を合わせて公表するものとする。

(措置)

第12条 議会は、審査会の報告を尊重し、必要な措置を講ずるものとする。

2 議会は、前項の措置を講じたときは、速やかにこれを公表しなければならない。

(委任)

第13条 この条例の施行に関し必要な事項は、議長が定める。

この条例は、平成17年11月1日から施行する。

(平成25年条例第32号)

この条例は、公布の日から施行する。

(令和5年条例第16号)

この条例は、公布の日から施行する。

朝来市議会議員倫理条例

平成17年9月5日 条例第253号

(令和5年6月22日施行)