○朝来市債権管理条例

平成27年3月30日

条例第6号

(目的)

第1条 この条例は、市の債権の管理に関する事務の処理について一般的基準その他必要な事項を定めることにより、市の債権の管理の適正を期することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 市の債権 金銭の給付を目的とする市の権利をいう。

(2) 市税 市の債権のうち、地方税法(昭和25年法律第226号)の規定に基づく徴収金に係るものをいう。

(3) 公課 市税以外の市の債権のうち、国税又は地方税の滞納処分の例により処分することができるものをいう。

(4) その他の債権 市の債権のうち、市税及び公課以外のものをいう。

(法令等との関係)

第3条 市の債権の管理に関する事務の処理については、法令又は他の条例若しくはこれに基づく規則等(地方公営企業法(昭和27年法律第292号)第10条に規定する企業管理規程を含む。以下同じ。)に特別の定めがある場合を除くほか、この条例の定めるところによる。

(市長の責務)

第4条 市長は、法令又は条例若しくはこれに基づく規則等の定めに従い、市の債権の適正な管理に努めなければならない。

2 市長は、市の債権の管理に関する事務の状況を的確に把握するとともに、その状況に応じて適切な措置をとるものとする。

(台帳の整備)

第5条 市長は、市の債権を適正に管理するため、規則等で定める事項を記載した台帳を整備するものとする。

(督促)

第6条 市長は、市の債権について、履行期限までに履行しない者があるときは、法令の定めるところにより、これを督促しなければならない。

(滞納処分等)

第7条 市長は、市税又は公課の滞納処分並びに徴収猶予、換価の猶予及び滞納処分の停止については、法令の規定によりこれを行わなければならない。

(強制執行等)

第8条 市長は、その他の債権について、第6条の規定による督促をした後相当の期間を経過してもなお履行されないときは、次に掲げる措置をとらなければならない。ただし、第11条に規定する徴収停止の措置をとる場合又は第12条の規定により履行期限を延長する場合その他特別の事情があると認める場合は、この限りでない。

(1) 担保の付されているその他の債権(保証人の保証があるその他の債権を含む。)については、当該その他の債権の内容に従い、その担保を処分し、若しくは競売その他の担保権の実行の手続をとり、又は保証人に対して履行を請求すること。

(2) 債務名義のあるその他の債権(次号の措置により債務名義を取得したものを含む。)については、強制執行の手続をとること。

(3) 前2号に該当しないその他の債権(第1号に該当するその他の債権で同号の措置をとってもなお履行されないものを含む。)については、訴訟手続(非訟事件の手続を含む。)により履行を請求すること。

(履行期限の繰上げ)

第9条 市長は、市の債権について履行期限を繰り上げることができる理由が生じたときは、遅滞なく、債務者に対し、履行期限を繰り上げる旨の通知をしなければならない。ただし、第12条第1項各号のいずれかに該当する場合その他特に支障があると認める場合は、この限りでない。

(債権の申出等)

第10条 市長は、市の債権について、債務者が強制執行又は破産手続開始の決定を受けたこと等を知った場合において、法令の規定により市が債権者として配当の要求その他債権の申出をすることができるときは、直ちに、そのための措置をとらなければならない。

2 前項に規定するもののほか、市長は、市の債権を保全するため必要があると認めるときは、債務者に対し、担保の提供(保証人の保証を含む。)を求め、又は仮差押え若しくは仮処分の手続をとる等必要な措置をとらなければならない。

(徴収停止)

第11条 市長は、その他の債権で履行期限後相当の期間を経過してもなお完全に履行されていないものについて、次の各号のいずれかに該当し、これを履行させることが著しく困難又は不適当であると認めるときは、以後その保全及び取立てをしないことができる。

(1) 法人である債務者がその事業を休止し、将来その事業を再開する見込みが全くなく、かつ、差し押さえることができる財産の価額が強制執行の費用を超えないと認められるとき。

(2) 債務者の所在が不明であり、かつ、差し押さえることができる財産の価額が強制執行の費用を超えないと認められるときその他これに類するとき。

(3) 債権金額が少額で、取立てに要する費用に満たないと認められるとき。

(履行延期の特約等)

第12条 市長は、その他の債権について、次の各号のいずれかに該当する場合においては、その履行期限を延長する特約又は処分をすることができる。この場合において、当該債権の金額を適宜分割して履行期限を定めることを妨げない。

(1) 債務者が無資力又はこれに近い状態にあるとき。

(2) 債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり、かつ、その現に有する資産の状況により、履行期限を延長することが徴収上有利であると認められるとき。

(3) 債務者について災害、盗難その他の事故が生じたことにより、債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であるため、履行期限を延長することがやむを得ないと認められるとき。

(4) 損害賠償金又は不当利得による返還金に係るその他の債権について、債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり、かつ、弁済につき特に誠意を有すると認められるとき。

(5) 貸付金に係るその他の債権について、債務者が当該貸付金の使途に従って第三者に貸付けを行った場合において、当該第三者に対する貸付金に関し、第1号から第3号までのいずれかに該当する理由があることその他特別の事情により、当該第三者に対する貸付金の回収が著しく困難であるため、当該債務者がその当該債務の全部を一時に履行することが困難であるとき。

2 市長は、履行期限後においても、前項の規定により履行期限を延長する特約又は処分をすることができる。この場合においては、既に発生した履行の遅滞に係る損害賠償金その他の徴収金(以下「損害賠償金等」という。)に係るその他の債権は、徴収すべきものとする。

(免除)

第13条 市長は、前条の規定により債務者が無資力又はこれに近い状態にあるため履行延期の特約又は処分をしたその他の債権について、当初の履行期限(当初の履行期限後に履行延期の特約又は処分をした場合は、最初に履行延期の特約又は処分をした日)から10年を経過した後において、なお、債務者が無資力又はこれに近い状態にあり、かつ、弁済することができる見込みがないと認められるときは、当該その他の債権及びこれに係る損害賠償金等を免除することができる。

2 前項の規定は、前条第1項第5号に掲げる理由により履行延期の特約をした貸付金に係るその他の債権で、同号に規定する第三者が無資力又はこれに近い状態にあることに基づいて当該履行延期の特約をしたものについて準用する。この場合における免除については、債務者が当該第三者に対する貸付金について免除することを条件としなければならない。

(放棄)

第14条 市長は、その他の債権について、次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該その他の債権及びこれに係る損害賠償金等を放棄することができる。

(1) 債務者が著しい生活困窮状態(生活保護法(昭和25年法律第144号)の適用を受け、又はこれに準ずる状態をいう。)にあり、資力の回復が困難で、当該その他の債権について弁済することができる見込みがないと認められるとき。

(2) 当該その他の債権(当該その他の債権の時効消滅について、時効の援用を要するものに限る。)について、消滅時効に係る時効期間が満了したとき(債務者が時効の援用をしない特別の理由がある場合を除く。)

(3) 債務者が死亡し、その債務について限定承認があった場合、相続人全員が相続放棄した場合、又は相続人が存在しない場合において、その相続財産の価額が強制執行をした場合の費用並びに他の優先して弁済を受ける債権及び市以外の者の権利の金額の合計を超えないと見込まれるとき。

(4) 破産法(平成16年法律第75号)第253条第1項その他の法令の規定により、債務者が当該その他の債権につきその責任を免れたとき。

(5) 第8条に規定する強制執行等の手続又は第10条に規定する債権の申出等の措置をとっても、なお完全に履行されない当該その他の債権について、強制執行等の手続又は債権の申出等の措置が終了したときにおいて、債務者が無資力又はこれに近い状態にあり、資力の回復が困難で、弁済することができる見込みがないと認められるとき。

(6) 第11条に規定する徴収停止の措置をとった当該その他の債権について、徴収停止の措置をとった日から相当の期間を経過した後においても、なお同条各号に該当し、これを履行させることが困難又は不適当と認められるとき。

2 市長は、前項の規定によりその他の債権を放棄したときは、これを議会に報告しなければならない。

(委任)

第15条 この条例に定めるもののほか、必要な事項は、市長が別に定める。

この条例は、平成27年4月1日から施行する。

朝来市債権管理条例

平成27年3月30日 条例第6号

(平成27年4月1日施行)