○朝来市重要文化的景観保護条例

平成29年6月2日

条例第20号

(目的)

第1条 この条例は、朝来市内に所在する文化財のうち、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第134条第1項の規定に基づき選定された重要文化的景観に関し、現状変更その他保護のための必要な事項を定めることにより、市民の文化的向上に資することを目的とする。

(用語の定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 重要な構成要素 重要文化的景観に係る選定及び届出等に関する規則(平成17年文部科学省令第10号)第1条第2項第6号に規定する重要な構成要素であって、文化的景観において特定した構成要素のうち、形態、意匠等が独特又は典型的であるとともに、技術、素材等の観点から顕著な固有性を持つもので、文化的景観の本質的な価値を示し、保護の対象として不可欠なものをいう。

(2) 一般的な構成要素 地域の生活文化の中で守り伝えられ、文化的景観の価値が宿る要素で、重要な構成要素を補完するものとして市長が決定したものをいう。

(保存計画)

第3条 朝来市教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、朝来市景観条例(平成25年朝来市条例第7号)第8条第1項第2号に規定する文化的景観を有する地区が景観形成地区として景観計画に定められたときは、当該文化的景観を有する地区の保護に関する計画を定めるものとする。

(重要な構成要素に係る行為の届出)

第4条 文化的景観を有する地区内において、当該文化的景観における重要な構成要素について次に掲げる行為をしようとする者は、規則で定めるところにより、教育委員会に届け出なければならない。ただし、非常災害のために必要な応急措置として行う行為については、この限りでない。

(1) 改築、増築、改変、区画・形質又は外観の色彩等の変更

(2) 前号に掲げるもののほか、その修理、修景又は復旧により重要文化的景観保護に影響を及ぼすおそれのある行為

2 教育委員会は、前項の規定による届出を受理するに際し必要な条件を付することができる。

3 第1項の規定による届出をした者は、その届出に係る事項を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を教育委員会に届け出なければならない。

(国の機関等に関する特例)

第5条 国の機関、地方公共団体又は文化財保護法施行令(昭和50年政令第267号)第1条に規定する法人(以下「国の機関等」という。)が行う行為については、前条第1項の規定は、適用しない。この場合において、当該国の機関等は、その行為をするときは、あらかじめ教育委員会と協議しなければならない。

(適用除外)

第6条 次に掲げる行為は、第4条第1項に規定する届出及び前条の規定による協議を要しないものとする。

(1) 法第43条、第125条又は兵庫県文化財保護条例(昭和39年兵庫県条例第58号。以下「県条例」という。)第12条若しくは朝来市文化財保護条例(平成17年朝来市条例第129号。以下「市条例」という。)第9条第2項の規定により、現状変更の許可を必要とされる行為であって、文化庁長官又は兵庫県教育委員会若しくは教育委員会の許可を得たもの

(2) 法第43条の2、第127条又は県条例第11条若しくは市条例第7条の規定により行う修理又は復旧

(3) 法第168条第1項第1号又は同条第2項の規定により文化庁長官の同意を必要とされる国の機関が行う行為であって、当該同意を得たもの

(事前協議)

第7条 第4条第1項に規定する届出を要する行為をしようとする者は、あらかじめ、規則で定めるところにより、当該届出の内容について教育委員会と協議するものとする。

(完了の届出)

第8条 第4条第1項に規定する届出をした者は、当該届出に係る行為が完了したときは、規則で定めるところにより、速やかに教育委員会に届け出なければならない。同条第3項の規定により変更の届出をしたときも、同様とする。

(現状等の報告)

第9条 教育委員会は、文化的景観を有する地区内において、当該文化的景観における一般的な構成要素について第4条第1項各号に掲げる行為をしようとする者(その所有者又は権原に基づく占有者(管理者がいる場合は、当該管理者を含む。次条において同じ。)をいう。)に対し、規則で定めるところによりその現状等の報告を求めるものとする。その全部又は一部を滅失し、又は毀損するときも、同様とする。

(補助)

第10条 市は、重要文化的景観を構成する重要な構成要素の管理、修理、修景又は復旧に関し、所有者又は権原に基づく占有者の申請に基づき、その経費の一部に充てさせるため、予算の範囲内で補助金を交付することができる。

2 教育委員会は、前項の補助金を交付する場合において、その補助条件として必要な事項を指示することができる。

(整備管理委員会の設置)

第11条 教育委員会の附属機関として、朝来市文化的景観整備管理委員会(以下「整備管理委員会」という。)を置く。

(所掌事務)

第12条 整備管理委員会は、教育委員会の諮問に応じ、次に掲げる事項について調査審議を行うものとする。

(1) 重要文化的景観の保護に関する事項

(2) 文化的景観に関する保存計画及び整備計画に関する事項

(組織)

第13条 整備管理委員会は、委員10人以内で組織する。

2 委員は、次に掲げる者のうちから教育委員会が委嘱する。

(1) 優れた識見を有する者

(2) 関係行政機関の職員

(3) 朝来市景観審議会の委員

(4) 地域住民の代表者

3 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

4 委員は、再任されることができる。

(会長及び副会長)

第14条 整備管理委員会に、会長及び副会長1人を置く。

2 会長及び副会長は、委員の互選により定める。

3 会長は、会務を総理し、整備管理委員会を代表する。

4 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、その職務を代理する。

(会議)

第15条 整備管理委員会の会議(以下「会議」という。)は、会長が招集する。

2 会長は、会議の議長となる。

3 会議は、委員の半数以上の出席がなければ開くことができない。

4 会議の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

(書面による審議)

第16条 前条第1項の規定にかかわらず、会長が会議を招集する時間的余裕がないと認めるとき、又は困難であると認めるときは、委員に書面を送付し、審議することをもって会議に代えることができる。

2 前条第3項及び第4項の規定は、前項の場合について準用する。この場合において、これらの規定中「出席」とあるのは「署名」と読み替えるものとする。

3 第1項の規定により書面による審議を行ったときは、会長は、速やかにその結果を委員に報告しなければならない。

(関係機関との情報の共有)

第17条 整備管理委員会は、前条の会議における調査審議に係る情報を朝来市景観審議会と共有し、相互に景観の形成、重要文化的景観保護の認識を図るものとする。

(報酬及び費用弁償)

第18条 委員の報酬及び費用弁償は、朝来市委員会の委員等の報酬及び費用弁償に関する条例(平成17年朝来市条例第63号)の定めるところによる。

(庶務)

第19条 委員会の庶務は、教育委員会事務局文化財課において処理する。

(委任)

第20条 この条例に定めるもののほか、必要な事項は、別に定める。

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。

(朝来市委員会の委員等の報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)

2 朝来市委員会の委員等の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(招集の特例)

3 この条例の施行後及び任期満了後最初に開かれる整備管理委員会は、第15条第1項の規定にかかわらず、教育長が招集する。

(令和2年条例第39号)

この条例は、公布の日から施行する。

朝来市重要文化的景観保護条例

平成29年6月2日 条例第20号

(令和2年12月25日施行)