○朝来市小規模企業等振興条例

令和5年12月25日

条例第34号

朝来市内の事業所の大多数を占める小規模企業及び中小企業は、地域の経済と雇用を支える重要な担い手として、地域の発展と市民生活の向上に大きな貢献を果たしてきました。

しかしながら、少子高齢化や人口減少による生産年齢人口の減少、企業間競争の激化や市場規模の縮小等により、小規模企業及び中小企業は売上げの低迷や後継者不足など、様々な課題に直面しています。

こうした中で、安心して健やかに暮らせる市民生活の維持と地域経済の持続的な発展を図るためには、小規模企業及び中小企業は自らが創意工夫を重ねて事業活動を展開するとともに、地域社会全体がその役割と重要性について共通認識を持ち、連携及び協働を推進することが重要です。

市は、ここに、小規模企業及び中小企業の振興を施策の重要課題として位置付け、振興に関する基本理念を定めるとともに、市、小規模企業者及び中小企業者、商工団体、金融機関、大企業及び市民の責務等を明らかにし、さらなる市民生活の満足度向上及び経済の活性化を図るため、この条例を制定します。

(目的)

第1条 この条例は、小規模企業及び中小企業(以下「小規模企業等」という。)の果たす重要な役割に鑑み、小規模企業等の振興の基本となる事項を定め、小規模企業等の持続的発展及び経済的社会的環境変化への適応の円滑化を図ることにより、市経済の活性化及び市民生活の向上に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 小規模企業 中小企業基本法(昭和38年法律第154号)第2条第5項に規定する小規模企業者であって、市内に事務所又は事業所を有するものをいう。

(2) 中小企業 中小企業基本法第2条第1項各号に規定する中小企業者であって、市内に事務所又は事業所を有するものをいう。

(3) 商工団体 商工会法(昭和35年法律第89号)の規定に基づく商工会及びその他の商工業の振興に関わる団体であって、市内に事務所を有するものをいう。

(4) 金融機関 銀行、信用金庫及び信用協同組合その他の金融機関であって、市内に事務所を有するものをいう。

(5) 大企業 小規模企業等以外の企業者(金融機関を除く。)であって、市内に事務所又は事業所を有するものをいう。

(6) 市民 市内に居住し、通勤し、又は通学する者をいう。

(基本理念)

第3条 小規模企業等の振興は、小規模企業等の自主的な努力と活力の向上を促進し、市、小規模企業等、商工団体、金融機関、大企業及び市民の相互連携及び協力の下、事業の持続的な発展を推進することを基本理念とする。

(基本方針)

第4条 市は、次に掲げる基本方針に基づき、小規模企業等に関する施策を講ずるものとする。

(1) 小規模企業等の経営の革新及び創業の促進並びに創造的な事業活動の促進を図ること。

(2) 小規模企業等の経営資源の確保の円滑化及び小規模企業等に関する取引の適正化を図ること等により、その経営基盤の強化を図ること。

(3) 経済的社会的環境の変化に即応し、小規模企業等の経営の安定及び事業の転換の円滑化を図ること等により、その変化への適応の円滑化を図ること。

(4) 小規模企業等に対する資金の供給の円滑化及び小規模企業等の自己資本の充実を図ること。

(市の責務)

第5条 市は、前条の基本理念にのっとり、小規模企業等の振興に関する施策を総合的に計画するとともに、実施に努めなければならない。

2 市は、小規模企業等、商工団体、金融機関、大企業及び市民との連携に努めなければならない。

(小規模企業等の責務)

第6条 小規模企業等は、主体的に経営の改善及び向上を図るよう努めるとともに、事業活動を通じて地域の振興に資するよう努めるもとする。

2 小規模企業等は、事業活動を行うに当たっては、人材の育成及び雇用環境の充実を図り、従業員が生きがい及び働きがいを得ることができる職場づくりに取り組むよう努めるものとする。

3 小規模企業等は、事業活動に関し、市内の他の小規模企業等、商工団体その他の市内の多様な主体と連携するよう努めるものとする。

4 小規模企業等は、商工団体への加入に努めるものとする。

5 小規模企業等は、市が実施する小規模企業等の振興に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(商工団体の責務)

第7条 商工団体は、小規模企業等の経営の改善及び革新を促進するための取組を積極的に行うものとする。

2 商工団体は、小規模企業等の的確な実態把握に努め、その意見等を事業活動に反映させるとともに、会員相互の関係強化及び多様な主体との連携を図るものとする。

3 商工団体は、市が実施する小規模企業等の振興に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(金融機関の役割)

第8条 金融機関は、小規模企業等の経営の向上及び改善に対する支援に取り組むよう努めるものとする。

2 金融機関は、市が実施する小規模企業等の振興に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(大企業の役割)

第9条 大企業は、小規模企業等の振興が地域経済の発展において果たす役割の重要性を理解するよう努めるものとする。

2 大企業は、事業活動を行うに当たっては、小規模企業等及び商工団体との連携及び協力に努めるものとする。

3 大企業は、市が実施する小規模企業等の振興に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(市民の役割)

第10条 市民は、小規模企業等の振興が地域経済の発展及び市民生活の向上に資することを理解し、市内消費等を通じて小規模企業等の振興に協力するよう努めるものとする。

(施策の検証)

第11条 市長は、小規模企業等をめぐる経済的社会的情勢の変化等を勘案し、小規模企業等の振興に関する施策の在り方について、定期的に検証を加えその結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

(計画の策定)

第12条 市長は、小規模企業等の振興に関する施策の総合的な推進を図るため、小規模企業等の振興に関する計画(以下「振興計画」という。)を策定するものとする。

2 市長は、振興計画を策定しようとするときは、あらかじめ小規模企業等及び商工団体の意見を聴くものとする。

3 前項の規定は、振興計画の変更(軽微な変更を除く。)又は廃止について準用する。

(計画の公表等)

第13条 市長は、振興計画を策定し、又は変更したときは、これを公表するものとする。

2 市長は、小規模企業等の振興のために講じた施策の実施状況について、毎年公表するものとする。

(財政上の措置)

第14条 市は、第4条の施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

(施行期日)

1 この条例は、令和6年4月1日から施行する。

(振興計画の特例)

2 この条例の施行の際現に策定されている計画で、小規模企業等及び地域経済の活性化に関する基本的事項を体系的に記載したものがあるときは、その計画期間に限り、第12条第1項の振興計画とみなすことができる。

朝来市小規模企業等振興条例

令和5年12月25日 条例第34号

(令和6年4月1日施行)