○朝来市議会議員のハラスメントの防止及び根絶に関する条例

令和6年12月25日

条例第40号

(目的)

第1条 この条例は、朝来市議会議員(以下「議員」という。)による朝来市職員(以下「職員」という。)及び他の議員に対するハラスメントを防止し、及び根絶するための措置を講じることにより、朝来市議会(以下「議会」という。)からハラスメントを一掃し、個人の尊重と信頼に基づいてお互いの能力が十分に発揮される良好な環境を確保することで、市政の発展と市民福祉の向上に寄与し、信頼される議会を実現することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「ハラスメント」とは、次に掲げる言動をいう。

(1) パワー・ハラスメント 議員の職員又は他の議員に対する事実上の優越的な関係を背景として行われる言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、相手方に対して精神的若しくは身体的な苦痛を与え、人格若しくは尊厳を害し、又は相手方の勤務環境(議員としての活動を行う上での環境を含む。以下同じ。)を害し、若しくは勤務条件に不利益を与えることとなるものをいう。

(2) セクシュアル・ハラスメント 性的な言動であって、相手方に対して不快感を与え、又は相手方の勤務環境を害し、若しくは勤務条件に不利益を与えることとなるものをいう。

(3) 妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメント 妊娠したこと、出産したこと若しくは妊娠若しくは出産に起因する症状により勤務することができないこと等に関する言動又は妊娠、出産、育児又は介護に関する制度若しくは措置の利用に関する言動であって、相手方の勤務環境を害し、若しくは勤務条件に不利益を与えることとなるものをいう。

(4) SOGI(ソジ)ハラスメント 性的指向、性自認に関する侮辱的、差別的な言動、及び相手方の許可を得ずに公表する行為であって、相手方に対して精神的若しくは身体的な苦痛を与え、又は相手方の勤務環境を害し、若しくは勤務条件に不利益を与えることとなるものをいう。

2 この条例において「職員」とは、地方公務員法(昭和25年法律第261号)第3条第2項に規定する一般職の職員並びに同条第3項第1号から第2号まで、第3号、第3号の2及び第5号に規定する特別職の職員(議員を除く。)をいう。

(議長の責務)

第3条 議長は、研修の実施を含む適切な対策を講じ、ハラスメントの防止及び根絶に努めるとともに、議員に対してハラスメントの禁止を周知徹底する責任を負う。

2 議長は、議会におけるハラスメントの問題を解決する体制を整備し、議会の健全な環境の確保に努めなければならない。

(議員の責務)

第4条 議員は、自らの言動を常に客観的に考え、公正で誠実な活動に努め、ハラスメントをしてはならない。

2 議員は、自らの言動によるハラスメントがあると疑われた場合は、誠実な態度をもって事実の解明に当たり、責任の所在を明確にするよう努めなければならない。

3 議員は、議会が実施するハラスメントの防止及び根絶に関する研修に参加しなければならない。

4 議員は、他の議員がハラスメントに当たる言動を行っていると認める場合には、当該議員に対し厳に慎むべき旨を指摘するよう努めなければならない。

(ハラスメントの実態把握)

第5条 議長は、議員によるハラスメントの発生状況を定期的に調査し、その結果を公表するものとする。

2 前項の規定による調査及び公表に関する具体的な事項は、議長が議会運営委員会に諮って決定する。

(苦情相談)

第6条 議員からハラスメントを受け、又はその事実があると思料する職員又は議員は、議長に対し、ハラスメントに関する苦情の申出又は相談(以下「苦情相談」という。)を行うことができる。

2 議長は、苦情相談を受けたときは、その調査及び解決策の協議を議会運営委員会に依頼するものとする。この場合において、議会運営委員会が必要があると認めるときは、外部の有識者から意見を聴取することができる。

3 前2項の規定は、前条第1項の規定による調査によりハラスメントが発生したと思料する場合について準用する。

4 議長が苦情相談の対象となったときは副議長が、議長及び副議長が共に苦情相談の対象となったときは議会運営委員会委員長が、この条例に規定する議長の職務を代行する。

(対応措置)

第7条 議長は、議会運営委員会の報告によりハラスメントの事実を確認したときは、当該ハラスメントを行った議員の氏名及び言動の内容を公表するとともに、注意、指導その他の必要な措置を講じるものとする。

2 ハラスメントの公表及び措置に関する具体的な事項は、議長が議会運営委員会の意見を踏まえて別に定める。

(被害者等のプライバシーの保護)

第8条 議員は、苦情相談を行った者及び関係者のプライバシーの確保に十分配慮し、当該苦情相談に関し知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

(補則)

第9条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、議長が議会運営委員会に諮って定める。

この条例は、公布の日から施行する。

朝来市議会議員のハラスメントの防止及び根絶に関する条例

令和6年12月25日 条例第40号

(令和6年12月25日施行)