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ウツギノヒメハナバチ
楽音寺境内に乱舞する20万匹のウツギノヒメハナバチ
提供/新潮社「FOCUS」
PHOTO:桑原英文氏
学名はアンドレナ・プロストミアス。北半球の温帯圏に棲息する小~中型の地中営巣型のハナバチの一種です。日本には82種が棲息し、体長は10~13mmです。
5月下旬~6月中旬に成虫となり、土から飛び出し、ウツギ(卯の花)の花粉と蜜を求めて一帯を乱舞する様子は、“初夏を告げる風物詩”としても有名です。
ウツギの花とウツギノヒメハナバチ
巣穴に花粉と蜜を運ぶ雌バチ
花粉だんご
越冬中の幼虫
ウツギのなかま
ヒメハナ公園には、ウノハナをはじめタニウツギ・ハコネウツギ・サラサウツギ・ガクウツギ・ヒメウツギ・バイカウツギ・ブットレアなどのウツギが山裾に植栽されており、5~7月にかけて可憐な花を咲かせます。
ウツギ
茎が中空になるので空木、卯月に咲くのでウノハナと呼ばれています。
「万葉集」に24首も詠まれるなど、昔から人びとの生活と結びつきも深く、まつわる故事伝説の多い花です。
タニウツギ
別名をベニウツギといい、5から7月にかけて、散房花序に淡紅色または紅色の花を2、3個ずつつけます。
ブットレア
フサフジウツギの和名があり、7~10月、細長い円錐花序に淡紫色の花を咲かせます。花は甘い芳香をもち、蜜も豊富なことから蝶が好んで群がります。