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アルコールは適量を守りましょう
健康のためには、アルコールは適量を守ることが大切です。
飲酒は、アルコール精神病、アルコール依存症のほか、肝臓の病気、脳卒中、がんなど多くの病気の引き金となります。
また、飲酒に関連した問題として、労働災害、交通事故、犯罪や家庭崩壊、暴力、虐待など多くの社会問題も含んでいます。その他にも、アルコールはうつ病や自殺などとも関連があると言われています。
心身に影響を及ぼすアルコールについて正しい知識をもち、節度ある適度な飲酒を心がけ、アルコールを減らす工夫をするとともに、未成年の飲酒をなくしましょう。
飲酒量に注意しましょう
節度ある適度な飲酒の目安
「節度ある適度な飲酒」は、1日平均純アルコールで約20g程度です。
週に2日は休肝日を設けましょう。
- 日本酒(15度)なら………1合弱(160ml)
- ビール(5度)なら………中びんまたはロング缶1本(500ml)
- ウイスキー(43度)なら…シングル2杯(60ml)
- 焼酎(35度)なら…………約3分の1合(70ml)
- 缶チューハイ(7度)なら…1缶(350ml)
- ワイン(12度なら)………ワイングラス約1杯半(200ml)
未成年者の飲酒は禁止です
未成年者の飲酒は、「未成年者飲酒禁止法」で禁止されています。禁止されている理由は、次の通りです。
- 脳細胞の破壊が加速される
脳の神経細胞を発達させていかなければいけない大切な時期に、脳細胞を破壊させてしまうことは、その後の人生に大きく影響を与えます。 - アルコール分解能力が未熟
未成年はアルコールを分解する身体の仕組みが未熟なため、有害な物質が残りやすく全身の臓器に負担がかかります。 - アルコール依存症になりやすい
どのくらい飲むと依存症になるかは、体質や飲み方、男女でも異なりますが、早く飲み始めればそれだけ、早くこの状態に至る危険性が高くなります。
妊産婦は絶対に飲まない
アルコールは、胎盤を通じて胎児に、母乳を通じて赤ちゃんに届きます。
飲酒によって流産、死産の率が上がり、「胎児アルコール症候群」など赤ちゃんに影響をきたす危険性があります。
賢いお酒との付き合いを
飲酒の強い、弱いは、生まれつきの「体質」によるところが大きいのです。この体質は、遺伝によるもので、終生変わることはなく、努力で飲めるようになることはありません。
飲めない人、飲まない人へ配慮し、また、一気飲みはやめましょう。
アルコール依存症について
アルコール依存症では、脳のアルコールに対する感受性が低くなるため、飲酒量が増加したり、アルコールによる影響で脳細胞が破壊され、「どうしても飲みたい」という強い気持ちに襲われたり、飲酒をコントロールできなくなる病気です。
徐々に進行し、朝から飲む、職場や家族に隠れて飲むようになるなど、深刻な状況に陥ることも多く、仕事や家庭生活、人間関係などに支障をきたします。
落ち込んだとき、つらい気持ちのときなどに飲酒し、気持ちを紛らわそうとすることがありますが、アルコールは絶望感や孤独感を強めるものであり、さらに気持ちが落ち込むもとになります。また、睡眠前の飲酒は、睡眠の質を低下させ、睡眠障害も引き起こします。
その他に、アルコールとうつ病は関連があると言われており、アルコールを飲み続けることでうつの症状を強めてしまうことがあります。
アルコール依存症の方は、いつでもやめられるとか、アルコール依存症ではないと考えがちで、適切な対応や治療を受けることが遅れたり、アルコール依存症から抜け出せなくなります。家族など周囲の人の正しい理解と適切な支援が悪化を防止し、依存症からの回復を助けます。
アルコール依存症への対応
- 断酒する。(飲酒できる環境を作らない)
- 本人が飲酒の問題に気づくように支援する。(アルコールによる失敗などの尻拭いをしない)
- 家族が相談窓口や自助グループ(同じ問題を抱える仲間の集まり)に行き、相談する。適切な関わり方を学ぶ。
- 専門の医療機関を受診させ、治療に結び付ける。(早期の対応が、問題の悪化を防ぎます)
- 本人が依存症から回復したいという気持ちになったら、自助グループに参加しましょう。(断酒の継続や依存症からの回復を助けます)
関連リンク
- 厚生労働省 アルコール障害対策<外部リンク>
- 兵庫県 依存症<外部リンク>
- アルコールに関する自助グループ(NPO法人 兵庫県和田山断酒会)について