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令和6年第18回朝来市議会定例会において、小倉畑教育長が『令和6年度 教育方針』を述べましたのでお知らせします。
第18回朝来市議会定例会の開会に当たり、行政報告のお時間をいただいて、本市の教育行政の推進に向けた、令和6年度の教育方針につきまして、議員の皆さんをはじめ市民の皆さんにお伝えさせていただきたいと存じます。
本市では、「第3期朝来市教育振興基本計画」に基づき、毎年発行しております「指導の重点」を年度の教育方針と位置づけております。
令和6年度は、その中で重点的な取組としまして、次の3点を本市の教育推進の基軸として位置づけてまいりたいと考えております。
まず1つ目が「子どもたちの声を生かし、『生きる力』を育てる教育の充実」でございます。
学習指導要領が求める「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善はもとより、子どもを中心に据えた、子どもを主語にした教育活動に取り組んでまいります。
中でも、平成26年度から継続して取り組み、本市の独自事業として根付きつつある「授業のユニバーサルデザイン化」をより一層深化させ、充実を図りたいと考えております。
この事業は、関西国際大学・中尾繫樹教授のご指導の下、各校で子ども一人一人の実態や成長などの背景を把握し、個々の教育的ニーズをつかむことで、子どもに身に付けさせたい力や内容を明確にした授業づくりに向けた取組でございます。
本事業を充実することにより、教師にとりましては、子どもたちの強みを生かしたより効果的な授業展開や方法を具体的に考えることとなり、子どもたちにとりまして、心から安心して学ぶことができる安全・安心な学校づくりにも繋がるものと考えております。
次に2つ目が、さまざまな支援を必要としている子どもへの対応でございます。
教育現場では、子どもたちの障がいや特性の有無、個々の違いを認識しつつ、様々な人々が生き生きと活躍できる共生社会の形成の基礎として、特別支援教育に取り組んでおります。
具体的には、本人・保護者を中心に据え、就学前から義務教育修了後へとつないでいく、いわゆる「縦の連携」とともに、保健・福祉、医療、労働などの関係機関や地域住民とつながる「横の連携」を強化していくことが大切であると考えております。
市内におきましても、この教育を適切なものに、また、より充実させるために、様々な研修を行ってきており、中には、他の市町から合同研修の依頼をいただいているところもございます。
今後におきましても、朝来市子ども教育支援センターやすまいるルームはもちろん、市の子育て支援課や社会福祉課など教育委員会以外の課とも連携し、子どもたちが、自身の持てる力をよりよく伸ばせるように取り組んでまいります。
最後に3つ目が、地域との協働による学校づくり、ふるさと朝来に愛着と誇りを持つ教育の推進でございます。
少子化は全国的な問題で、ある調査によると、「日本の子持ち世帯の割合」は全世帯の20%を切っているとのことです。
子どもたちを、これからのふるさと朝来の未来を担う宝として育てていくためには、学校だけでなく、地域と学校が一体となって子どもたちの育ちに関わっていくことがますます求められます。
生涯学習時代を生きる大人が、子どもたちの学びに関わってくださる「地域総ぐるみの教育」が実現することにより、自己有用感が高まるとともに、子どもたちにとって「なりたい大人」が身近にいることになります。
これは、子どもたちにとって、子どもたちそれぞれのやるべきことが明確なものになり、具体的な活動につながっていきます。
この「地域総ぐるみの教育」実現に向けて、各学校に設置している「学校運営協議会」を活性化させるとともに、「子どもの幸せ、地域の幸せ」という共通の目標に向かい、学校と地域が協働して取り組んでまいります。
議員の皆さまもご存知のとおり、教育に関する課題は山積しておりますので、今年度の一年間の取組で、すべてが前進したり解決したりするものではない面があります。
しかし、目の前の教育的課題一つ一つに対して、学校だけでなく、文化財をはじめとした地域資源、そして、関係機関やさまざまな関係者と連携しながら誠実に向き合っていきたいと考えております。
そして、いかなる時も子どもを主語にした
“子どもど真ん中”の教育を推進することを申し上げまして、
令和6年度の教育方針といたします。