本文
オオサンショウウオは、世界最大級の両生類で、昭和52年(1952)に国の特別天然記念物に指定されている日本固有種です。近縁種は日本、中国、アメリカにしか生息しておらず、その形態が 3000 万年前からほとんど変化していないことから「生きている化石」と呼ばれ、種の保存法による国際希少野生動植物種、環境省レッドリストによる絶滅危惧種にも指定されています。
オオサンショウウオは別名「ハンザキ(ハンザケ)」とも呼ばれ、由来として「半分に裂いても生きているから」などと言われますが、その根拠はありません。ただ、実際に体と同じ幅で、まるで半分に裂けたかのように大きく開く口を持っています。「ハンザキ」は古くは標準和名であったようですが、生野町では「あんこう」の名で呼ばれています。
オオサンショウウオは夜行性であり、昼間は岩場や草むらの陰でじっと餌を待っていて、目の前を通る魚や虫などを好き嫌いなく何でも食べます。日中活動することはほとんどありませんが、不用意に触ると噛みつかれる危険性があり、文化庁の許可なく触ったり、捕まえたり、場所を移動させることは文化財保護法違反となります。
朝来市では、円山川、市川、与布土川、糸井川等で広く生息が確認されており、特に黒川渓谷では 40 年以上に渡る生息調査が実施され、産卵巣穴や繁殖行動も確認されるなど、全国から注目を集める地域となっています。
近年、テレビや新聞で、昔中国から輸入されたチュウゴクオオサンショウウオが日本の河川に放流され、日本の固有種との交雑が起こっていると話題になりました。交雑種が増え続けることで日本固有のオオサンショウウオが絶滅してしまうことが心配されています。
もしも市内でオオサンショウウオを見かけた場合は、朝来市文化財課までご連絡ください。皆さんからの情報をお待ちしています。
姫路市立水族館、「NPO法人ハンザキ研究所」の長年の調査により、朝来市内流域には、2,000匹を超えるオオサンショウウオが生息していることが確認されています。
オオサンショウウオを見つけたら、以下に連絡してください。
朝来市埋蔵文化財センター 電話079-670-7330(月曜日・祝翌日休館)
教育委員会学校教育課 電話079-672-4930(埋蔵文化財センターが休館のとき)
※いずれも午前8時30分~午後5時15分まで