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プレコンセプションケア
「プレコンセプションケア(プレコン)」とは、若い男女が将来のライフプランを考えて日々の生活や健康に向き合うことです。次世代を担うこどもの健康にもつながるとして、近年注目されているヘルスケアです。早い段階から正しい知識を得て健康的な生活を送ることで、将来の健やかな妊娠や出産につながり、未来のこどもの可能性を広げます。
今は妊娠や出産を考えていなくても、プレコンセプションケアを実践することで今の自分がもっと健康になって、人生100年時代の満ち足りた自分(well‐being)の実現につながります。一緒に「プレコンセプションケア」を初めてみませんか。
プレコンセプションケアの3つの目的
1.若い世代の健康を増進し、より質の高い生活を実現してもらうこと【今の自分の健康】
2.若い世代の男女が将来、より健康になること【未来の自分の健康】
3月1日.の実現によって、より健全な妊娠・出産のチャンスを増やし、次世代のこどもたちをより健康にすること【将来の自分のこどもの健康】
参考:プレコンセプションケアセンター(国立成育医療研究センター)<外部リンク>

プレコンを始めてみよう!
Action1 いまの自分を知ろう
プレコンチェックシート
プレコンチェックシートを使って、今できていることを確認しましょう。
そしてもっとすてきな自分になるために、未来の家族のために、できることから初めて、一つずつチェック項目を増やしていきましょう。
プレコンチェックシート(女性用) [PDFファイル/474KB]
プレコンチェックシート(男性用) [PDFファイル/471KB]
適正体重を維持しよう
若い女性のやせ(BMI18.5未満)は、貧血や将来の骨粗しょう症の原因になります。一方、栄養過多や太り過ぎ(BMI25以上)は、将来、糖尿病や高血圧などさまざまな病気のリスクを高めます。やせも肥満も、不妊や妊娠・出産のリスクを高めます。男性の肥満も不妊のリスクを高める報告があり、注意が必要です。
適正体重:BMI・・・20~24
やせ:BMI・・・18.5未満
肥満:BMI・・・25以上
ストレスと上手に付き合おう
現代社会ではストレスが多く、こころの不調を抱えることもあるでしょう。まずは、自分がストレスを感じていることに気づくことが大切です。また普段から自分なりのストレス解消法を見つけておきましょう。
困ったときには、専門の窓口に相談しましょう。
Action2 生活を整えよう
栄養バランスの整った食事を心がけましょう
栄養不足による若い女性のやせは、貧血、肌荒れ、骨密度の低下や筋力の低下などを引き起こします。月経不順や不妊、低体重児の原因になるなど将来の妊娠、出産にも影響を与えます。
また、男性の肥満は精子の質や量を低下させるだけでなく、生活習慣病の原因にもなります。
1日3食きちんと摂り、主食・主菜・副菜・乳製品・果物を意識して、バランスの良い食事を心がけましょう。
また葉酸は生まれてくるこどもの先天的な神経管閉塞障害の予防、妊娠期の貧血や妊娠高血圧症候群の予防につながります。妊娠がわかるのは、神経管ができるのよりも遅いため、妊娠を希望する女性は1日400㎍接種することが望まれます。
妊娠前から始まる妊産婦のための食生活指針(国立健康・栄養研究所)<外部リンク>
適度に体を動かそう
適正体重の維持に運動は欠かせません。血流がよくなり、筋肉量が増えることで代謝も高まります。
プレコンでは、1週間に「150分」の運動を目安にしています。
普段運動する習慣がない方は、今より毎日10分長く歩くなど、できることから始めましょう。
禁煙、受動喫煙をさけよう
タバコはがん、心臓病をはじめたくさんの病気を引き起こします。まだ男女ともに不妊症のリスクが増加し、特に妊娠中の喫煙や受動喫煙は流産、早産、周産期死亡、低体重を引き起こす可能性があります。赤ちゃんが生まれた後も乳幼児突然死症候群のリスク因子となるなど、その影響はきわめて広範囲です。WHOは妊娠中の電子タバコの使用はリスクがあるとしています。
喫煙をしている人は、禁煙外来を利用するなどして禁煙に取り組みましょう。
アルコールは控えめに
妊娠中にお酒を飲むと、アルコールは胎盤を通って、赤ちゃんにも影響し、胎児性アルコール症候群の原因になります。「この量なら大丈夫」というものは確立していませんので、妊娠を考えたときからアルコールは控えるようにしましょう。妊娠中は禁酒が原則です。
質の良い睡眠をとろう
質の良い睡眠はホルモンバランスを整えます。日中の心身の疲労を回復させるためにも、睡眠は重要です。睡眠は生活習慣病など、さまざまな病気の予防につながります。
日常の食生活や運動などを見直すとともに、睡眠環境を整えて、質のよい睡眠がとれるようにしましょう。
Action3 検査やワクチンを受けよう
定期的に健康診断・がん検診を受けましょう
女性は20代から子宮頸がんが増え、30代から乳がんが急増します。
2年に1度の子宮頸がん検診と月1回の乳房のセルフチェックを行い、40歳代からは乳がん検診も忘れずに受けましょう。
また男女ともに40歳を過ぎると大腸がんや胃がん、肺がんのリスクが高まります。40歳からは、大腸がん、胃がん、肺がんの検診を受けましょう。
感染症を予防しよう・ワクチンについて考えよう
若い人の間で「性感染症」が増えています。感染しても無症状のことも多く、治療に結びつかないこともあります。性感染症は、男女とも不妊の原因になったり、妊娠中にかかると赤ちゃんの健康に影響を与えるものもあります。パートナー間で、感染症の予防や治療に取り組むことが大切です。
その他にも妊娠中にかかると、赤ちゃんに影響を与える恐れのある感染症があります。感染症から完全に身を守ることはできませんが、風疹、麻疹、水痘(みずぼうそう)、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)はワクチンを打つことができます。
妊娠中、とくに妊娠20週までに風疹に感染すると、赤ちゃんが先天性風疹症候群を発症し、心臓の病気や白内障、難聴を患うリスクは高まります。母子健康手帳でワクチンの接種歴を確認して、必要であれば妊娠を考える前に接種しましょう。
兵庫県妊娠を希望する女性等を対象とした風しん抗体検査事業について(兵庫県ホームページ)<外部リンク>
ヒトパピローマウイルス感染症の定期予防接種について(朝来市ホームページ)
Action4 かかりつけ医をもとう
日頃から自分の身体の状態を把握してくれている「かかりつけ医」がいることで、病気の早期発見や重症化の予防につながります。
Action5 人生をデザインしてみよう
妊娠、出産、育児、介護、転職など、人生にはたくさんの転機があり、喜びや悲しみなどさまざまな感情を抱くものです。
将来、自分がどうなりたいのか、あなたの理想の人生プランを考えてみましょう。そしてそれを実現するために必要なことを考えていきましょう。
プレコンセプションケアについてもっと詳しく知ろう
兵庫県プレコンセプションケア応援サイト<外部リンク>
プレコンセプションケアをみんなの健康の新常識に(厚生労働省)<外部リンク>
「プレコンノート」を使うことで、プレコンが必要な理由やその具体的な方法を学び、実践するための計画を立てることができます。
今の自分を知り、今後の人生について考える機会に、お役立てください。
不妊症や不育症について
不妊症はいわゆる、こどもを望む法律上の婚姻関係にある男女、または事実婚関係にある男女において、避妊せずに性交をし、1年以上妊娠しない場合を言います。不育症は、2回以上の流産、死産あるいは、早期新生児死亡の既往がある場合とされています。不妊症・不育症の治療で大切なことは、早い段階で原因を明らかにし、早期に治療を開始することです。
朝来市では、不妊症や不育症の早期発見、早期治療を促進するとともに、その経済的負担の軽減を図るため、費用の助成を行っています。
兵庫県不妊治療応援サイト<外部リンク>





